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新潟の冬に感じた”向こう三軒両隣り”のあたたかさと、心地よく地域をつなぐ家づくりの工夫

南波和希 南波和希

” 向こう三軒両隣り ”
両隣りの家と道をはさんで向こう側の数軒

当たり前に聞いたことのある言葉だけれど、
現代でそのつながりを強く意識することはあまりないのではないでしょうか。

昔の話だよね、という感覚はもちろん
そんな時代に憧れのようなものを抱く方も、
反対にわずらわしいと感じる方もいるかもしれません。

田舎育ちのわたしの話で言うと、
小さい頃はお手伝いで向かいのお家や
隣のお家に回覧板を届けに行ったり

畑で採れた野菜や、食べ物のお裾分けをし合ったり

庭先や道で会えば ごく普通にあいさつをして

向こう三軒両隣りの人たちの顔と名前をもちろん知っている、そんな環境でした。

大人になって、育った地域よりも遥かに都会な
新潟の市街で暮らすようになると、
周りにどんな人たちが住んでいるのかよく分からない、ほとんど顔を合わせない、というように
育った地域とは全然違う雰囲気を感じていました。

そんな中での冬のある日、
大雪の駐車場で車がスタックしてしまって途方に暮れていたところに
どこからともなく「大丈夫ですか?」と一緒に雪かきをしてくださった方がいたんです。


お礼をしなきゃと思っていたら
「同じ町内なので気にしないでくださいね」と。

別の日は、お向かいのご家族が
大きいスノーダンプを「必要だったら これ使っていいですよ!」と庭先に置いておいてくれました。

ほんの一言かもしれませんが、私の心はほかほかで。

家の密集度や街のつくりが違っても、
時代が変わっても、
向こう三軒両隣りの関わりはちゃんと残っているんだな

自分がそこに関わろうとするかどうか
いい関係を築こうとするかどうか

なんだなあ、と感じた出来事でした。

それからは私も朝のごみ捨てで顔を合わせた人や、
同じ集合住宅の人たちと自然とあいさつを交わすようになりました。
(同じ集合住宅の住人は年代が若いこともあって、あいさつすると最初はびっくりされていた気もします。笑)

こうやって、ほんの少しでも関わりがあったり
お互いの顔を知っていたりすると、やっぱり安心感がありますね。

”向こう三軒両隣り”を心地よくつなぐ家づくりの工夫

自分の家のことだけではなく、
近隣や地域に関わろうとする気持ち
それが心地よいことなんだという気づきがあると

家を建てるときの考え方や、
つくり方にも様々な意識をするようになるかもしれません。

”向こう三軒両隣り”のつながりに対する家づくりの工夫を、こちらの本から3つ紹介。

何度読んでもおもしろく、その度に深く頷ける一冊です。
今マンションやアパートで暮らしている方には特に響くと思いますよ。

1.たとえば 庭先・玄関前の樹木

玄関前で記念写真を撮ったり、家族の思い出づくりのお手伝い。

また 街路樹のない小さな道では、家の樹木がその代役。
年月を重ねて大きくなり、心地良い街になります。

2.たとえば 窓辺の花

「きれいな花ですね。心がなごみます。どこで手に入りますか」
「ありがとうございます。よかったらお分けしましょうか」
「まあ、うれしい。ありがとうございます」・・・本の一節より

窓辺の花は人と人とのふれあいをつくりだすお手伝いをします。

3.たとえば 腰を掛けられる軒先

軒のかかった縁側のような空間があれば
通りを行くご近所さんと自然にあいさつ。
そのまま腰かけてちょっとおしゃべり。

家と道路の境目がやさしくなります。

この本の著者、建築家の田中敏溥さんは
新潟の歴史ある城下町 村上のご出身。

ご自身の小さい頃の経験や、
変わる時代の中で大事にすべき暮らし方が
子どもたちにも伝わるやさしい言葉でまとめられている一冊です。

現代の家づくりに対する考え方や固定観念に、ハッとする気づきを与えてくれると思いますよ。

この田中敏溥さんの考えに共感とリスペクトを持って、私たちナレッジライフの家づくりがあります。

ナレッジライフの家づくりコンセプトはこちら

こちらの本「向こう三軒両隣り」は
ナレッジライフの共有ライブラリーに何冊かあるので
気になる方はお茶を飲みながらゆっくり読んで行ってくださいね。

貸出もいたします♪

展示場でお待ちしております☺

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